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モザイクのモチーフ
5月の初めに紹介したモザイク話の続きです。

1枚目のテテュス姐御のモザイクが展示されている
スウェイダという町の博物館には、他にも
アルテミスやアフロディーテが描かれたものが有りました。

中でも珍しかったのが、テティス(海皇編の人魚姫ですね)と
ペレウスの婚礼(披露宴)を描写したモザイクでした。
神話によると、ゼウスがオリンポスのあらゆる神々を率いて来たとあります。

しかし、不和の女神エリスだけは招かれなかったため
やがてはトロイ戦争の元となる
「最も美しい女性に」とかかれた黄金の林檎を投げ込みました。
ヘラとアテナとアフロディーテがこれを争い
判定をトロイの王子パリスに委ねたことは、以前にもちょこっと触れてます。

いや、そのテティスの結婚に至る過程が笑ってしまって…。
元々、ゼウスとポセイドンが彼女を巡って争っていました。
だが、ティターンの女神テミスが予言したことには
「どちらが彼女を手に入れたとしても
 二人の間に生まれる男児は父を凌ぐ者となろう」
という、ゼウスのトラウマになっているような未来。

  メティスの場合と同じやん!
  だけど、あれだけの数の子供を生ませといて
  「子の方があんたに勝る」というのが2件程度とは
  割合は低い方かもしれませんね…。

で、潔く?諦めたゼウスは、彼女を人間であるペレウスと結婚させます。
(ちなみにペレウスはゼウスの孫に当たり、お父さんはアイアコスです)
しかしその為には、ペレウスは女神テティスを捕まえないとなりません。
女神、変身して抵抗します。
水や火、猛獣類へと姿を変えますが、何を血迷ったか
に変身したところでゲームオーバー。

  ウナギみたいなものならともかく、
  一般的な魚なら捕まえられちゃうだろフツー。
  やっぱりギリシア神話の神々はどこか詰めが甘いです。

さて、物語の背景を長々と書いてみましたが
このモザイク、撮影禁止どころか真ん中ごっそり欠けていて
四辺しか残ってないのだ。近づいて見ても、離れて見ても
何が描かれているのか、誰がどこにいるのか、全然まったく分かりません!
よくこんなんで、婚礼の場面のモザイクだと分かったな、オイ。
そんなんで、カタログにすら掲載されておりませなんだ。
by masaki_rui | 2005-05-23 23:59 | 『☆矢』全般ネタ | Trackback(1) | Comments(0)
Tracked from てるてる教団伝言板 at 2005-05-24 00:02
タイトル : テテュス姐御1
スキャン出来てしまったので、姐御の写真いきますー! 写真はANWAR ABDEL GHAFOURというシリアのアレッポにある会社製絵はがきです。 紀元2世紀のモザイク シリア南部シャハバにて発見される 海の女神なので海竜がお供してます。 周囲にいる4名のキューピットもどきは、 それぞれ船乗りたちの守り神を描いたものだそうです。... more
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